個体間脳-身体相互作用研究会
研究会の概要
近年、複数の個体の脳活動や生理指標を同時計測・解析することで、社会性の神経基盤を検討しようとするハイパースキャニング(Hyperscanning)の試みが、多く見られるようになってきました。特に日本国内では、脳波(EEG)、脳磁図(MEG)、機能的近赤外線分光法(fNIRS)、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)、さらには電気生理学的手法など、多様な脳機能計測モダリティを用いた研究が進められています。さらに、行動や生理指標の個体間連関を議論する周辺領域や、数理モデルを用いた理論研究も含めると、多くの研究者がこの領域に関与しています。ハイパースキャニングは、脳機能の評価を個体内にとどめず、個体間の脳機能関連性へと拡張するものであり、社会性動物であるヒトの脳機能理解をさらに推し進めることが期待されています。
しかし、脳機能イメージングの学会は主に計測モダリティごとに分かれているため、ハイパースキャニングを用いた研究者が一堂に会し、議論する機会がこれまでほとんどありませんでした。そこで、2025年3月21日・22日に生理学研究所において、ハイパースキャニングを主テーマとした「個体間脳・身体相互作用研究会」を開催します。本研究会では、多くの研究を主導されてきたシニアクラスの先生方や、実際に研究を進めてきた若手研究者にご講演いただき、研究分野や計測モダリティを超えた交流の機会となることを目指しています。
https://www.nips.ac.jp/collabo/meeting/2024/
日時
2025年3月21日~3月22日
場所
生理学研究所 明大寺地区 実験研究棟1階 大会議室
参加費用
500円(休憩時のお茶代として利用させていただきます)
代表者
小池耕彦(理化学研究所・脳神経科学研究センター、生理学研究所・生体機能情報解析室)
所内対応者
福永雅喜(生理学研究所・生体機能情報解析室)
使用言語
日本語
プログラム
2025年3月21日(金)
13:00-13:15 開会挨拶(小池)
セッション1 [講演25分+質疑10分]
13:15-13:50 定藤規弘先生(立命館大学)「身体圏研究の展望」
13:50-14:25 嶋田総太郎先生(明治大学)「共同運動主体感に関するハイパースキャニング研究」
14:25-15:00 野澤孝之先生(富山大学)「個人間脳・身体同調に基づくインタラクション評価と支援から,「集団意識研究」の可能性へ」
(集合写真撮影、休憩 30分)
セッション2 [講演25分+質疑10分]
15:30-16:05 川崎真弘先生(筑波大学)
16:05-16:40 皆川泰代先生(慶応義塾大学)「乳幼児と養育者の社会的相互作用:fNIRS同時計測の試行錯誤」
16:40-17:15 横澤宏一先生(北海道大学)
17:15-17:50 小野弓絵先生(明治大学)
2025年3月22日(土)
セッション3 [講演15分+質疑5分]
9:30-9:50 宮田紘平先生(理研CBS)「fMRIハイパースキャニングを用いたリズム運動同調の個体間脳ネットワーク解析」
9:50-10:10 栗原勇人先生(早稲田大学)「対人協調タッピング課題における個体間脳波同期現象の分析」
(休憩 15分)
セッション4 [講演15分+質疑5分]
10:25-10:45 Yulei Shen先生(理研CBS)
10:45-11:05 池田尊司先生(金沢大学)「ハイパースキャニングMEG研究のこれまでとこれから」
11:05-11:25 吉岡歩先生(立命館大学)
11:25-11:30 まとめ・閉会挨拶(田邊先生)
参加登録フォーム
こちらからご登録ください。
〆切:2025年3月14日
宿泊について
基本、東岡崎駅近辺にてご自身で手配していただきます。
https://www.nips.ac.jp/profile/access_stay.html
3/21日の宿泊分について、自然科学研究機構岡崎共同利用研究者宿泊施設(三島ロッジ;オンライン決済: 2,600円/1泊)を多少ですが押さえてあります。参加登録時に希望をお伺いいたします。
連絡先
事務局 小笠原香苗(理研CBS) pps-kenkyukai[A]nips.ac.jp